分かりやすい!収用等の場合の課税の特例(個人)
個人が持っている土地や建物などが公共事業のために買収された場合などは課税の特例として以下の4つの特例があります。
課税の特例
- 収用交換等の場合の5,000万円特別控除の特例
- 収容等に伴い代替資産を取得した場合の課税の繰り延べの特例
- 交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の繰り延べの特例
- 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の繰り延べの特例
まずは一つづつ見て行きましょう。
目次
収用交換等の場合の5,000万円特別控除の特例
個人が持っている土地や建物のなどを(棚卸資産は省く)収用や交換処分により売却された場合で、その売買契約が公共事業施工者からはじめに買取等の申し出があった時から6ヶ月以内(一定の場合は6ヶ月経過後でも認められます。)に売却されたなどの一定の条件を満たせば、その資産の売却の所得金額から最高5000万円を控除することが出来ます。
収容等に伴い代替資産を取得した場合の課税の繰り延べの特例
個人が持っている土地や建物が、土地収用法や、その他の法律によって収用等された場合に、補償金などを取得した場合、その補償金の全てを、代替した資産に使った場合は、その売却はなかったことになります。
また、補償金の金額が代替資産の所得金額より大きかった場合、その価格を超える部分には、売却があったものとされます。
また、この特例は課税を繰延べるものであり、売却した資産の所得費用や所得の時期は、代替の資産に引き継がれます。
適用出来る条件は?!
次の条件に当てはまらないといけません。
- 土地収用法の規定にもとづいて土地や建物(棚卸資産は省く)が特定の公共事業にために収用や買取をされて保証金を取得していること
- 保証金などで収用があった年に代替えの資産を取得すること。※一応収用があった日はら原則2年以内に代替資産を取得する込みであるか税務署の承認を受けている場合も適用になります。
- 収用によって売却した資産について、収用交換等の場合の5,000万円特別控除の特例や、住んでいる家の課税の特例(3000万円の特別控除や買替えの特例)、平成21~22年中に土地を取得した場合の特例制度などの適用受けていないこと。
- 代替資産は、個別法、一組法、事業継続法のいずれかにより取得すること
個別法とは?
同類の不動産、例えば、売却資産が土地であれば、代替えも土地を取得するなど。
一組法とは?
例えば、売却資産が住んでいた家や土地(一組の資産)であれば、代替資産も家や土地を取得するなど。
事業継続法とは?
例えば売却資産が事業用の土地であれば,代替資産も事業用の土地を取得するなど
売却所得の計算方法は?!
(A)
補償金≦代替資産の取得金額の場合譲渡所得は課税されず。
(B)
補償金≧代替資産の取得金額の場合超える部分のみに譲渡所得がかかります。
(a)収入金額は
保証金-代替資産の所得金額
(b)必要な経費(所得費)は
譲渡資産の所得費 × (収入金額/対価保証金)
(c)譲渡所得の金額
収入金額(a) - 必要経費(所得費)(b) = 長期もしくは、短期譲渡所得の金額
注意!
譲渡費用がある場合、保証金から控除した上で↑の計算をします。
交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の繰り延べの特例
個人が持って入り土地や建物が収用されて、同類の不動産の交付を受けた場合は売却はなかったものとして取り扱われるようです。
また、同類の不動産とともに保証金の交付を受けた場合は、保証金に相当する部分だけに課税がされます。
また、保証金によって交換処分があった時から2年以内に代替資産を取得した場合は売却した土地や建物のうち、保証金の部分について、前項目の『収容等に伴い代替資産を取得した場合の課税の繰り延べの特例』の適用が出来ます。
換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の繰り延べの特例
個人が持っている土地について、土地区画整理法によって土地区画整理事業が行われて、その土地に対し、換地処分によって、換地を取得した時、または都市再開発方による第一種市街地再開発事業が行われ、その土地について権利変換によって建物の一部を取得する権利を得た場合は、そのことを理由にして譲渡した土地等は売却がなかった事として取り扱われます。
生産金や保証金を取得した場合はその部分について課税がされてしまします。
ただ、『収容等に伴い代替資産を取得した場合の課税の繰り延べの特例』や、『収用交換等の場合の5,000万円特別控除の特例』が受けられる場合があるので、何かしらで、換地処分や権利交換が行われた場合は、不動産会社か、税理士様に確認してみてください。
平成14年度の改正「マンションの立替の円滑化等に関する法律」
マンションの立替事業が行われた場合、その資産の権利変換によって再建マンションの権利を取得した場合も、権利変換によって譲渡した資産の譲渡はなかったものとされます。
そして差額の交付などを受けた場合は、その部分に課税されます。
以上、個人の場合の収用等の場合の課税の特例のご説明でした。
正直、一般的に使われる機会は少ないと思います。
ただ、自分の持っている土地が、区画整理なので公共事業として連絡が突然合った場合はこんな特例があるんだなー程度に覚えて置いて下さい。
最新記事 by 【監修】大久保 篤史 (全て見る)
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