マンション売却とは?成功に導くポイントと注意点の全て
マンションの売却は、戸建や土地の売却とは少し違います。
どちらかといえば、戸建・土地の売却に比べて売却しやすいといえます。
理由としては、同じマンション内で、他の部屋の間取りと同じの場合が多いので、すでに成約事例があるので、査定金額も出しやすいからです。
自分で自分のマンションの相場を簡単にネットで調べることができます。
だからこそ!マンション売却はしっかりと計画的に販売して、失敗しないようにしなければいけません。
ここでは、マンションならではの売却方法などをご説明していきます。
目次
- マンション売却で失敗しないコツ
- 信頼できる業者選び
- 相場に合わせた値付け
- 物件に合わせた売却戦略
- 内覧で好印象を残す
- マンション売却の大事な注意事項
- マンション売却にかかる費用
- マンション売却の販売期間の注意点
- マンションの売買契約の注意点
- マンションの引渡し後の注意点
- まとめ
マンション売却で失敗しないコツ
まずは、マンションを売却する上で、失敗しないための4つのポイントをご説明します。
- 信頼できる業者を選ぶ
- 相場に合わせた値付けをする
- 物件に合わせた売却戦略を立てる
- 内覧で好印象を残す
一般的に、中古不動産市場では、ほかの物件より優れている点をたくさん持っているマンションよりも、欠点の少ない物件のほうが高く早く売れていきます。
ただ、多くの人にとってマンション売却は初めての経験です。
不動産会社の担当が適切な対処をできなかったので物件を売れ残らせたり、買いたたかれたりすることも少なくありません。
そこで今回は、マンション売却を成功させるために知っておきたい基本的なポイント4つを解説していきます。
また、解説のあとには、状況に応じての大事な注意事項もそれぞれご説明をしていきます。
信頼できる業者選び
マンション売却の成否を左右するポイントの1つ目であり、もっとも重要なのが信頼できる不動産業者を選ぶことです。
マンション売却の成否は大部分が業者選びで決まってしまう
マンション売却の成否は、売却の仲介をしてもらう不動産業者によって決まります。
なぜなら、物件広告や内覧者の応対など、実務のほとんどを不動産業者の営業マンに任せることになるからです。
非常に魅力的で高く売れる可能性を持った好条件の物件でも、実力ややる気の不足した不動産業者に任せると、適正価格で売ることができません。マンション売却を成功させたいなら、不動産業者選びに時間をかけましょう。
不動産業者によって得意不得意の差がある
不動産事業には「売買」「仲介」「管理」などいくつかの分類があり、業者によって得意分野がまったく異なります。
たとえば、新築の注文住宅建設を得意としている不動産業者にマンション売却を頼んでも、業者側がマンションを売るノウハウを持っていないため、想像より売るのに時間がかかったり売却額が安くなったりしてしまうでしょう。
どの不動産業者も利益を取りたいので、最初に相談した時点で「うちはマンション売却が苦手だから、違う不動産業者のところへいったほうが良い」とアドバイスをしてくれることはありません。
マンション売却では、オーナー側に中古のマンション売却が得意な不動産業者を選別する能力が求められます。
実際に相談したり見積もりを取ったりして相性の良い業者を選ぶことが大切
ネットや電話を使った相談・見積もりでは不動産業者の良し悪しを見分けることはできません。
優良な不動産業者にマンション売却をお願いしたい場合は、実際に店舗まで足を運んで売却に関する相談をしたり、見積もりを取ってみたりして、相性の良い相手を見つけることが大切です。
できれば、相談する際に営業マンにたくさん質問を投げかけてみましょう。
不動産売却初心者であり、顧客でもある不動産オーナーの質問に対して面倒そうな素振りを見せたり、適当な返答をしたりする営業マンは信用できません。
「絶対」「いますぐ決めてほしい」など、根拠もなく契約を迫ったり断言したりする営業マンも要注意です。
質問とその返答を見て、人間的に信頼できそうだ、コミュニケーションを取りやすいと感じる営業マンがいる不動産業者を選ぶことをおすすめします。
相場に合わせた値付け
マンション売却を成功に導く2つ目のポイントは、相場に合わせた値付けをすることです。
相場からかけ離れた価格の物件は売れ残りやすい
マンション売却をする場合、マンションの売り出し価格を相場の付近に合わせましょう。
不動産の価値は、大部分が土地の利便性、つまり立地によって決まります。
もちろん、築年数やデザイン等によって売却額は上下しますが、基本的に「近隣エリアにある同程度の物件価格」は同じような金額になることが多いです。
よほど魅力的な物件でも、相場が1,500万円のエリアでマンションの売り出し価格を2,000万円にすれば、売れ残ってしまうでしょう。
また、相場より明らかに価格が安くした場合も、「なにか問題があるから大幅な値引きをしたのではないか」と疑われる可能性が高いです。
新築同然できれい・短期間で売りたいなど、相場と差をつけて売り出す理由がある場合はともかくとして、基本的には地域の相場に合わせた値付けをしたほうがマンション売却の成功につながります。
一定期間売れ残ると「訳あり物件」とみなされやすくなる
マンション売却は、長くても1年以内に終わらせましょう。
なぜなら、長期間売れ残っているマンションは、「訳あり物件だから買い手が見つからないのでは」と評価されてしまう可能性があるからです。
最初の値付けを間違って売れ残れば、物件に対するマイナスイメージからさらに買い手がつきにくくなるという負のループに陥ってしまいます。
根拠のないイメージを取り去るのは簡単ではありません。
あまりにもマンションが売れないと、最終的に値引きをすることになって損をします。
マンション売却価格が下がれば、その分手元に残るお金やローン返済用の資金を用意できなくなるため、できれば半年から1年をめどに売却できるよう適正な値付けを行いましょう。
物件に合わせた売却戦略
マンション売却を成功に導くためには、物件に合った売却戦略の立案も必要になります。
物件の条件や状態に合わせた売り出し方をすればより高く早く売れる
マンション売却のコツとして、ぜひ知っておいてほしいのが「売却戦略の重要性」です。
たとえば同じマンションでも、20代新婚夫婦向けの広告と、30代半ばで子どものいる家庭向けの広告では効果的なキャッチコピーや写真などが変わってきます。
若者がほとんどいないエリアで若者向けの広告をしたり、ファミリー世帯の多いエリアで若者向けの広告をしたりしても、買い手はなかなか見つかりません。
また、ネットを中心に物件の広告をするのか、それともチラシ等を使って近隣地域で広告をするのかによっても内覧の申し込み数等に差が出ます。
マンション売却をするときは、地域の特性や地域でマンションの購入を検討している層の属性、おおよその予算、物件ごとに異なる強みや売りを上手にアピールできるパートナーを見つけましょう。
物件の欠点をなくす補修工事で売却額アップ
中古不動産市場の特徴として、良い点も欠点も多い物件より、欠点の少ない物件のほうが高く売れやすいというものがあります。
とくに雨漏りや壁のヒビ、壁紙の汚れといったわかりやすい欠点があるとそれだけで物件の評価が下がってしまうので、内覧までに必要最低限の補修工事をしてから売り出しましょう。
どうしても売れない場合は、お金をかけて内装をリフォームし、「新築同然」といううたい文句で売り出すのもひとつの手です。
内覧で好印象を残す
マンション売却を成功させるために、不動産オーナーは内覧時に好印象を残せるようになりましょう。
内覧なしでマンションを買う人は少ない
基本的に、マンションを購入する人はネットや不動産業者の店舗で予算や条件に合わせた物件を探し、内覧をしてから購入するかどうかを決めます。
ただし、どれだけ広告上の条件がよくても、内覧で物件に対する悪印象を持たれてしまうとマンションを購入してもらえません。
そのため、マンションのオーナーは内覧の際いかに好印象を残すかを考えて行動する必要があります。
内覧で好印象を残すコツは「熱意」を伝えること
内覧当日は、不動産業者の営業マンに案内を任せず、オーナー自身も立ち会いましょう。
スーパーの品ぞろえや夜間も対応している病院、保育園・幼稚園への入りやすさなどを質問されたとき、実際にマンションで暮らしていたオーナーが返答できるほうが信頼されやすいです。
また、内覧時は水回りの清掃も大切。水回りは汚れが残りやすく、女性のチェックが厳しいため、キッチンやトイレを徹底的に掃除しておくと印象が良くなります。
マンション売却の大事な注意事項
これまでは、マンションを売る時の大まかなポイントを解説してきましたが、ここからはもう少し具体的に見ていきましょう。
マンションならではの注意点もあります。
状況に応じて注意しておかなければいけないこともありますので、ご自身のマンションがどういう状況なのかも確認しておきましょう。
不動産会社に査定してもらう前の注意事項
まずマンションを売却をする前に一番最初にすることは査定をしてもらい自分のマンションがいくらぐらいで売却できるかを知ることです。
査定についてはイエイなどを利用して複数社から査定をしてもらう訳ですが、まずは準備をしておいた方がいい書類があります。
権利証、登記簿謄本はあるか?
権利証、登記簿謄本がもしあるなら、用意しておいた方が、不動産会社も安心して査定ができると思います。
権利証は不動産の売買をした時に、あなたが、物件について正式に名義人であることを証明した書類のことを言います。
また、2005年3月7日に不動産登記法が改正されて、登記を終えた場合に、その登記名義人に対して、12桁の秘密の番号が記載された「登記識別情報通知書」が通知されるようになりました。
もし、権利証や「登記識別情報通知書」があれば、あなたが名義人であることの証明になりますので、売却する前までには、必ずご確認をお願いいたします。
不動産登記簿謄本の内容確認
不動産登記をすると、土地・建物の所在地・面積や名義人の住所・氏名などが記載されています。
この登記簿謄本は法務局に行けば、誰でも取得することができます。
土地なのであれば、登記簿の広さと、実際の広さが違う場合がありますので、よく確認する必要がありますが、今回はマンションなので、特に問題は起きないのですが、持っているに越したことはないので、一度内容も確認してみましょう。
登記簿謄本は「登記ねっと」でダウンロードする方法が一番早いです。
一応郵送もやっていますが、今の時代は自宅のパソコンでダウンロードする方が便利です。
ダウンロードしてみたら、登記事項証明書を確認してみましょう。
確認してみると、大きく分けて2つに分けられており、表題部と権利部という2つに分かれています。
表題部の確認
表題部には不動産の種類や大きさ、所在、建物番号など物件の状況が記載されています。
まずは、表題部確認して、広さなどを確認しておきましょう。
権利部の確認
権利部には、その名の通り、物件に対する名義人や権利関係についての記載がされいています。
権利部については、甲区と乙区の2つに分かれています。
甲区については、名義人に関する情報が記載されています。
記載されている所有者の住所が現在の住んでいる住所と違う場合は、住所の変更をしなければいけません。
住所変更の手続きは名義人が自分で変更手続きもできますし、司法書士に頼むことで変更が可能です。
もし、マンションを相続した場合には、所有者(名義人)の名前が正しく変更されているかは確認しておいて下さい。
所有者(名義人)が相続前の名義のままだと、買主様への移転登記ができないので変更手続きまでに時間がかかります。
相続したマンションであれば、相続登記を早めにしておきましょう。
乙区については抵当権(物件を担保に銀行から融資を受けた場合)や賃借権など、本来の所有権以外の権利に関することが記載されています。
銀行のローンの残債がある場合には、抵当権が乙区に記載されています。
抵当権は、住宅ローンなどで銀行から融資を受けて購入した時に借入金の担保としてマンションを担保しておくものです。
万一、住宅ローンの返済ができなくなった場合は、マンションの名義が銀行側に写り、銀行側はマンションを売却してお金を返してもらう形になります。
売主が、買主に所有者を引き渡す際には、抵当権を抹消する登記手続きをします。
買主からすると、売主の抵当権は関係がないので、売主側についている抵当権は全て抹消してから引き渡します。
マンションを購入した時の書類一式
マンションを購入した時の契約書や、当時販売していた時のチラシや広告、パンフレットなどがあれば、ご用意していただいた方が不動産会社もスムーズに査定ができます。
この書類は、無くてもマンション売却は可能ではありますが、マンションを売却した後に、譲渡所得税発生する場合などにも必要になってくるので、一応用意はしておいた方がいいです。
居住中のマンションを売却する場合の注意点
自分がマンションに住みながらご自身のマンションを売却することは可能ですが、内覧(物件見学)の際には立ち合いが必要です。
内覧するということは、ご自身の家具や、電化製品、お客様の部屋のセンスも全て見られることになります。
内覧前に、掃除をして部屋を綺麗にするのは当然ですが、部屋の印象によって 買主の印象が変わってきてしまいます。
例えば、綺麗な部屋でも、ピンク調の部屋なのか、ブルックリン風のおしゃれな部屋にしているのかでも、買主に与える印象が変わってきます。
内覧の際は、購入希望者からの色々な質問には快く伝えるとともに、印象を良く見せるように工夫してみるのも一つの方法になります。
購入希望者は購入した後間取りなどをイメージしながら、内覧しています。
想像しやすいような環境を作りましょう。
マンションを賃貸している場合の注意点
マンションを人に賃貸している場合には、賃貸中のまま売却する方法と立ち退いてもらってから売却する方法がありますが、この2つは査定の金額にも大きな違いが出てきます。
賃貸中のまま売却する場合には、収益物件として扱うため、査定の方法が変わってきます。
結論から言いますと、賃貸中のまま売却すると、居住用として売却するより安くなります。
簡単に説明すると、居住用マンションの場合は、近隣の類似マンションの過去の取引事例や、現状同じマンション内で販売中の売出事例をみながら査定価格を決めていきます。
賃貸中の場合の場合は、賃貸しているマンションから得られる利回りで割ることによって査定金額を決めていく(収益還元法)になるので、ファミリータイプの区分マンション1室であれば、販売価格としては安くなってしまいます。
そのため、賃貸中立ち退いてもらって売却するほうが、高く売れますが、立ち退き完了までに時間と費用がかかるので注意が必要になります。
あなたに資金の余裕があれば、住み替え先の家を購入してから、立退くまで待ってから売却するのがいいかと思います。
マンションの住み替えの場合の注意点
マンションを新しくすみかえる場合は、先に新居先を購入してから売却する場合と、マンションを売却してから新居を探す場合の2つがあります。
マンションの住み替えで一番の良いのは、先に新居先を購入してから、今まで住んでいたマンションを売却するのが理想と言えます。
しかし、これはローンも完済しており、新しい物件に頭金も払える資金もあり、銀行からも融資を受けれるのであれば問題はありませんが、資金面で余裕がある人ばかりではありません。
売却して、購入資金を確保してから、購入する場合が多くあります。
その場合、仮住まいに住んでから、新しい家を探すので、二重の引っ越し費用がかかりますので、その分の費用と手間がかかるので注意が必要です。
購入先を見つけてからの売却の場合
マンションの住み替えで、購入先を見つけてから売却しようとしたり、新居先と引渡しの時期を合わせて、一回の引っ越しで済まそうとすると、少し注意が必要になってきます。
売却するマンションと購入する新居の引渡し時期が、きっちり合えば、特に問題はありませんが、もし、どうしても住みたい家を先に見つけた場合、他の人に取られないために、早く購入資金を確保したいという気持ちが強まります。
そうなると、売却金額を下げてでも早く売却したいとなり、本来の金額より安く売却していしまう可能性があるので注意が必要です。
売却が完了するまで、「つなぎローン」を組むことも可能ですが、マンションが売却できるまでの間と、新居の住宅ローンが二重に発生するので金銭的な負担がかなり重くなります。
またマンションの売却金額次第では、資金計画・返済計画が狂うなどのデメリットが発生するので注意が必要です。
マンションに住宅ローンが残っている場合の注意点
まだ、住宅ローンが残っていてもマンションの売却自体は可能です。
ただし、残っている住宅ローンを完済して、抵当権を抹消することが大前提となります。
売却価格でも住宅ローンが完済できない場合は、資金を他から用意するしかありません。
新居先をこれまで住んでいた家よりも安い新居先であれば、つなぎ融資も可能かもしれませんが、金融機関によって審査方法がことなってきますので、各金融機関に確認をして下さい。
もし、住宅ローンを返済できずに困っているのであれば、任意売却といった方法もあるので、返済に困っているのであれば、こちらにご相談してみてください。
遠方にあるマンションを売却する場合の注意点
売却するマンションが、住んでいる所より遠いところにある場合は、マンションがあるところの不動産会社に問い合わせる方がいいです。
問い合わせる方法としては、イエイ売却一括査定サイトなどの全国対応しているサイトを利用する事をおすすめします。
また、全国展開している不動産会社に問い合わせることで、会社内でのネットワークを使って遠方のマンション査定を知ることができるでしょう。
どうしても都合がつかない場合には、「はじめての不動産売却」までお問合せください。
マンション売却前のリフォームの場合の注意点
マンションを売却する前に、古くなった水回りをリフォームしてから売却した方がいいか検討される方もいると思います。
リフォームをすることによって、内覧時の印象が良くなる、購入後すぐに入居することができるというメリットがありますが、買主にとって好みが合わない場合や、リフォーム費用については売却金額に上乗せしづらい点や、そもそも売却前に費用がかかってしまうといったデメリットがあります。
最近の傾向として、新築物件を購入するよりも中古物件を購入して自分なりのデザインにリフォームするケースが流行ってきています。
むやみに古くなってきたからと自分のセンスでリフォームをすると、買主が少なくなる場合があるので、一度、不動産会社に相談した方がいいかと思います。
マンション売却に相続が絡んでいる場合の注意点
マンションの売却に相続が関わっている場合には、注意すべき点がいくつかあります。
相続発生前にマンションを売却する場合
相続発生前にマンションを売却する場合は、現金化しているので、相続が発生しても遺産分割協議で分割がしやすいので、メリットになります。
相続する兄弟間で仲が悪いとか、遺産分割協議で揉めそうな家族は、あらかじめ現金化しておくのが一番おすすめです。
但し、注意点としては、相続税の課税を考えた場合は注意が必要になってきます。
不動産の場合は、不動産の売れる金額が課税対象になるわけではなく、土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」で評価されていますので、実際の売却金額よりかなり低くなります。
一方、現金の場合は金額そのものが課税対象になるので、マンションを保有しているのと比べると割高になってきます。
特に家族間でトラブルがないのであれば、マンションのまま相続したほうが相続税のメリットにはなりますので、どちらが、ご自身の過程にとって得策なのかを検討して決めましょう。
相続登記しない状態でのでマンション売却の場合
遺産分割協議が完了していないなくても売却は可能です。
しかし、共同で相続する場合は、相続人全員の同意書が必要となりますので手間と時間がかかりますので、あまり一般的ではありません。
相続により、手に入れたマンションの場合には、一度、所有者の名義変更が正しくされているかを確認してから、売却をするようにしてください。
名義人が被相続人名義のままだと、買主様への移転登記が完了できません。
共有のマンションを売却する場合の注意点
相続で共有の名義になった場合や、夫婦間で共有名義になっている場合、まずは持ご自身の分割合を確認しましょう。
持分割合とは、マンションについて持っている所有権の割合のことで、法務局や「登記ねっと」で登記事項証明書を取得することによって確認ができます。
共有名義のマンションを売却するには、2つの方法があります。
持分だけを売却
自分の共有持分だけを他の人に売却する方法です。
第三者に売却することも可能ですが、持分だけを買う人はほとんどいないので、一般的ではないです。
通常は、持分の売却については、共有名義人に売買する場合がほとんどです。
持分を売却する際には通常の売却と一緒で、売買契約を結んで、売買代金の受け渡しと同時に所有権の移転登記を行います。
共有者が親戚や近親者だからといって持分を無償で譲渡すると、贈与税がかかるので注意が必要です。
共有名義人同士が、意見が合わずにトラブルになっている場合などは、投資家や、海外の人が購入して、その購入した側が、もう一人の名義人に対して家賃を請求する場合もあります。
持分だけを売って、第三者が所有することによって、逆にもう一人の名義人とも話すがスムーズに進む場合もあります。
共有名義でトラブルになっている人は、「はじめての不動産売却」までご相談ください。共有名義売却の専門家をご紹介いたします。
共有者全員の同意を得て売却
共有名義のマンションを共有者全員の同意を得て売却する方法です。
正直、相続などで名義が共有になった場合は、早めに売却するか、一人の持ち物にした方が懸命です。
理由は、名義人が死亡した場合、その子供達が相続人となり、どんどん名義人が増えていき、共有者全員の承諾が難しくなっていくからです。
売買契約書には共有者全員が署名し実印を押印しなければいけません。
共有者が、遠方に住んでいたり、高齢などで売却の判断能力がないと判断されれば、成年後見人の許可が必要となりますが、裁判所から承諾がおりるにも相当な期間が必要になり、売却が困難になります。
面倒臭がらずに、早めの売却手続きすることをおすすめいたします。
マンション売却にかかる費用
マンションの売却にはある程度の費用がかかります。
下記を表を見て費用間を抑えておきましょう。
マンション売却の費用 | 詳細 |
仲介手数料 |
売買契約が成立したら、不動産会社に手数料を支払います。
・売却価格が200万円以下 売却価格の5% ・売却価格が200万円超400万円以下 売却価格の4%+2万円 ・売却価格が400万円超 売却価格の3%+6万円 ※別途消費税 |
印紙代 |
売買契約書に印紙を貼付
|
登記費用 |
住所移転登記、抵当権抹消登記、相続登記等
|
司法書士への報酬
|
上記登記に伴う司法書士への報酬
|
譲渡所得税 |
マンションの売却で購入時より売却金額が高い場合譲渡所得税がかかる場合がある
|
繰上返済手数料 |
住宅ローンを繰上返済する際に金融機関に支払う手数料
|
引っ越し費用 |
引っ越し費用
|
新居の購入資金 |
新居に住み替えの場合、新居の購入資金が必要に
|
詳細の金額については、こちらでご確認ください。
マンション売却の販売期間の注意点
売却することが決まったら、不動産会社に査定をしてもらい、あなたのマンションを販売してもらうために、仲介をお願いして販売してもらいます。
仲介をしてもらう前に下記のことは確認しておいてください。
マンションの状況の報告
売主様が知っているマンションの状況は、不動産会社に正確に報告するようにしましょう。
雨漏り、騒音問題、隣人問題など、一見言いたくない情報も性格に伝えておく必要があります。
もし、そのまま売却すると入居者間のトラブル、管理に関する問題など、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
売主様が瑕疵の存在を知っていて、これを隠して買主に売却し、引渡後にこれらの瑕疵が見つかると、売主様はその責任を負わなくてはなりません。
売却価格の設定と売却の期間
マンションの売却にはすぐ売れる場合と、ある程度時間が時間がかかる場合があります。
マンションの場合は、近隣の成約事例があるので、その金額が高めなのか、低めなのか、相場なのか、買主を容易に調べることができます。
できるだけ高値で売却しようと高めに価格を設定すると売却までの期間は長くなります。
ご自身のマンションがすでに空室のない人気マンションであれば、高値で勝負してもいいでしょう。
空室が多いマンションですと、多少下げてでも、早く売却することをおすすめいたします。
人気のないマンションは人口が減っている今の日本では、購入しようとする人も多くない可能性があるからです。
相場よりも高く売りに出すのか、安く売りに出すかの戦略は、不動産会社と納得できるまで、打ち合わせた上で、売却しましょう。
媒介契約の種類
販売金額やいつまでに売り切るのかを打ち合わせした後は、不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約書では、報酬や販売方法についてのルールを決めます。
媒介契約書の種類や内容については、他でも詳しく説明していますので、ここでは、ざっくりと説明をいたします。
媒介契約書には3つの種類があります。それぞれの種類の違いを理解して媒介契約を結びましょう。
媒介の種類 | 詳細 |
専属専任媒介契約
|
・他の不動産会社に媒介依頼できません
・自分で買主を探すこともできません ・不動産会社は、指定流通機構(レインズ)に5営業日以内に登録しなければいけません。 ・不動産会社は販売状況を1週間に1回以上売主様に報告しなければいけません
|
専任媒介契約 |
・他の不動産会社に媒介依頼できません
・自分で買主を探すことができます。 ・不動産会社は、指定流通機構(レインズ)に7営業日以内に登録しなければいけません。 ・不動産会社は販売状況を2週間に1回以上売主様に報告しなければいけません |
一般媒介契約 |
・他の不動産会社にも媒介依頼ができます
・不動産指定流通機構(レインズ)に登録義務はありません
・業務処理状況の報告義務はありません(任意)
|
媒介についての詳細はここに記載してますので、ご確認ください。
オープンハウスの注意点
オープンハウス(オープンルーム)は、よく新築の戸建で見られのですが、販売中の間一定の時間帯に購入希望者に自由に見学してもらうものです。
通常は空き家の状態で行われることが多いですが、売主様が住んでいる場合、そのままの状態で実施することがあります。
購入者からしてみると、いちいち不動産会社に問い合わせをしてから、見学の予約をするといった手間がないため、気軽に内見することができて、幅広く購入希望者を募ることができます。
しかし、近所の人や通りすがりの人や、冷やかし半分の見学者が来場する可能性があるので注意は必要です。
販売の戦略の一つとしてオープンハウス(オープンルーム)を検討して、不動産会社と最適な時期に実施していただければと思います。
マンションの売買契約の注意点
購入者が見つかった後は、買主様と売買契約を結びます。
売買契約の際の注意点を見てみましょう。
売買契約書の確認
売買契約書の中には、取引の内容や売主様・買主様の権利・義務などが記載されています。
不動産売買契約をお互いに締結しますと、契約書の記載内容に基づいて権利や義務を遂行していくことになります。
売買契約を締結する際には、売買契約書に記載されている事項をしっかり確認して理解をしましょう。
分からないことは、遠慮することなく不動産会社に聞いた方がいいでしょう。
マンションの売買契約後の注意点
もし、売買契約を締結しても、買主様の住宅ローンの審査が金融機関により否決されてしまうと、売買契約の特約によって契約は白紙解約になります。
白紙解約とは、文字通り「白紙に戻す」ということから、そもそも契約はなかったこととなります。
その際、不動産会社に支払った仲介手数料は戻ってくるのですが、買主様より受け取った手付金も買主様に返却することになりますので注意が必要です。
マンションの引渡し後の注意点
売買契約が終了して引渡しが完了、権利も変更した後でも注意点があります。
瑕疵担保責任
引き渡しが終わっても、マンションに雨漏り等の隠れた瑕疵が見つかった場合には、売主様はその責任を負わなくてはなりませんので、売却後も注意は必要です。
マンション管理組合に報告
引き渡しが完了したら、速やかにこれまで参加していた、マンション管理組合に連絡して、組合員としての資格が喪失した旨を報告してください。
うっかり管理組合への報告を忘れると、マンション売却後も管理費や修繕積立金がそのまま引き落とされてしまいますので注意してください。
万が一管理費や修繕積立金に滞納がある場合には、すべてを売主様が負担で清算する必要があります。
確定申告
マンションの売却で売却益が出た場合には、確定申告をしなければいけません。
マンションの売却により得られた譲渡益は、給与所得とは違いますので、サラリーマンであっても、確定申告が必要になってきます。
確定申告を忘れたり、故意的に税金を払わなかった場合は、税務署からの調査が入り、延滞金や罰則を課せられて本来の納税額より高い金額を支払うことになりますのでご注意ください。
不動産は高い金額になりますので、ごまかそうとしても無駄ですので、きちんと申告しましょう。
譲渡所得については、ご自身の住まいを売却した時の、『3,000万円特別控除』や、譲渡損失が出た場合の繰り越し控除など、様々な控除を利用することができます。
税金の控除については、こちらで詳しく説明しているので、一度ご覧になってください。
まとめ
これまでマンション売却についてのポイントや注意点を説明してきました。
最初にも記載しましたが、マンションについては、戸建・土地と違い、売却がしやすい物件になります。
不動産会社も、成約事例をすぐに確認することができるので相場価格も出しやすいです。
ただ、「査定しやすい・売却しやすい」ということは、売主に対して新人営業マンを担当にまわしてくる場合もあるのです。
マンションの査定金額の相場は、新人でも分かるとしても、不動産の売却は人間同士の信頼が一番大事になります。
高い金額で売却するために、「高い金額で売却しましょう」と、ただ高い金額だけを提示してくる新人とは、販売をお願いしたくはないですよね?
「査定しやすい、売却しやすい」からこそ、きちんとした戦略で販売を考えているのか?戦略は正しいのかをしっかりと、売主と不動産会社と話し合って販売を依頼する不動産会社を決めて欲しいと思っています。
マンションの売却はタイミングによって早期売却が一番高く売れる場合もあります。
戦略、スピード感を持ってマンション売却をしましょう。
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